青年部会世代が抱えている課題とは、どんなことでしょう?
小坂田僕たち世代のいちばんの問題は、事業承継ですね。私自身2代目で、8年前に父から引き継ぎました。
長渡もう8年!
小坂田はいそうなんですが、なかなか大変です。というのは、社内のことに関していまだに父が前に出ることがあり、私の方針を打ち立てられないでいて。この問題は、私と同様の境遇にある方みなさん共通のようです。なので、青年部会にいる承継者の話しを聞いて、自身の対策に役立てています。
村田僕は、親戚の事業を承継したケースなんですが、もともとのマネージャーとしての立ち位置はそのままに、経営のポジションがプラスになったので、シンプルに大変です。小坂田さん同様に苦心しています。
長渡事業承継はどの業界でも難しいことであり、渡す側の課題についてはよく取り上げられています。一方、受け継ぐ側にも様々な悩みがあるにもかかわらず、置き去りにされている感があるので、もっとクローズアップされるといいと思う。その点、青年部会では似た境遇にあるメンバーが多いので話題に上りやすい。ひとりで悩みを抱えるのではなく、会に来て話すことで、即解決とはならなくても、気持ちがラクになるものです。村田さんもそうでしたね。
村田そうですね。青年部会では抱えていることを話すことができ、また自分だけではなく他のメンバーも同じような悩みを抱えていることを知り、相談できる仲間がいるというだけで気持ちが軽くなりました。
長渡業界のもうひとつの問題が、職人不足です。職人集団である高橋さんの会社は、この点いかがですか?
高橋弊社は求人募集を出すとすぐに若い人が集まるので、人が不足している実感はないです。現在11名の職人がおり、平均年齢は30歳を下回り、女性もいます。
長渡それはいいね!若い人が集まる理由は何でしょうか?
高橋うーん、よく分からないですが…。求人を出す際、この仕事に関心がある人の目止まるよう、とにかく分かりやすく詳細まで書くようにはしています。
澤口求人すると僕のところも人は来ますよ。問題は、定着するかどうかなんですよね。ところで、高橋さんの会社での技術指導者は社長である高橋さん自身ですか?
高橋はい、僕です。社内に上級者が新人を教える仕組みを構築できていなくて。
長渡指導者を育成することもこれからの課題だよね。人材確保と指導者育成、どちたも僕ら世代が考え、解決策を見出し、実践していかなくては。昨年、研修旅行で見学した会社さんの取り組みなどをも参考に会のみんなで考えていきましょう。
高橋そうですね。
最後に、青年部会が今後目指す方向性についてお聞かせください。
小坂田青年部会に入ってよかったことやメリットを、会として今後より伸ばしていくのがいいんじゃないかな。それと、若いうちにつながっておくことが大事だと思う。苦しい時、もがいている時につながり、仲間になり、長い年月をかけて関係を築いていくと、すごくいい間柄になれますから。そういうつながりを一人でも多く増やしていけば、業界自体がより盛り上がっていくと思います。だから青年部会は、つながりを育む存在であってほしい。この青年部会を外から見ると、名のある会社の2代目が集まっているんだろうと思われがちですが、そんなことは全くないです。いろんな人が自由に集まってコミュニティを作っている気軽に参加できる場所です。
澤口その通りで、私は事業を立ち上げた本人なので2代目ではないですが、青年部会に気軽に参加しています。元々、OSKに入会したのは防炎等のラベルを発行してもらうことが目的だったので交流とかは期待していませんでしたが、青年部会に誘ってもらい、参加することで同業の方々とのつながりができて本当によかったです。また最近は、僕たち青年部会の提案が理事会に取り上げられ、考えてもらえることが増えてきたこともあり、組合全体のムードがよくなっていますよね。
村田澤口さんが言うように、理事会との活発な連携によりOSK全体の雰囲気が快活で、いい感じになっていると思います。今後は、青年部会で考え発信することが業界を変えていくような推進力になっていくといいですね。
澤口そうですね。
高橋僕は会に入ってまだ日が浅いので、今後の方向性については皆さんにお任せするとして。それとは別に、この会は同業者とのつながりがしっかりできるのがいいです。つながりは一人でも多い方が、仕事にも個人的にも幅ができますから、一人でも多く会員になってほしいです。
小坂田青年部会に参加して同業者と出会い、仲良くなるだけでも、参加してよかったと思っています。
長渡大事なのは、内装業界で働く誰もが、それぞれに抱えている問題や課題を、青年部会にくると気軽に話せ、どうしたらよいかを共に考える場所であり続けることかなと思っています。そして、自分が当たり前だと思っていたことが、こういう見方もあるならやり方を変えてみるかと気づくなど、新たな発見ができる場所でありたい。青年部会にまだ入っていない人が、殻を破ってここに来て、少しでもネットワークを広げたり、自身の状況や置かれている立場を客観的に捉えられるようになる場所として、大いに活用してもらえたら、それでいいんです。
高橋僕自身、会の人の話を聞いて考え方が変わリ、仕事をしやすくなったことがありました。
長渡青年部会ですから、たぶんみんな成長したい、変わりたい気持ちがあるんじゃないかな。そのためにこの会に参加しているんだと思います。青年部会には2代目、自分で事業を立ち上げた人、職人集団、いろんな人がいます。若い人がつながることで業界全体がもっと明るくなったらいい、というイメージを持っています。一緒に業界を良くしていきましょう。
澤口とにかく楽しい会です!まずは見学にいらしてください。
ありがとうございました。
数年後、再び集まっていただきお話をお聞きするのが楽しみです。
( 座談会実施日:2019.4.17 )
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